『青い光が見えたから 〈16歳のフィンランド留学記〉』
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2021-04
小学校の図書室でこの本を手に取り、それから私はフィンランドにはまってしまった。「こんな風に生きられる世界があるのか」と知ったおかげで、10代を気楽に生きられるようになったと思う。私もフィンランドで暮らしてみたいという思いが積もり留学もした。そして10数年ぶりに、初めてこの本を読み返してみた。
この本では、高校生の高橋絵里香さんがフィンランドで実際に出会った人々と、その出会いを通じた彼女の心の変化について、彼女の素直な言葉で書かれている。最近は、フィンランドのライフスタイルや教育を紹介する本が書店に何冊も並んでいるけれども、これからどれだけフィンランドに関する本が出版されてもこれに代わるものはないし、古びることもないだろう。絵里香さんは、フィンランドの人々を一般化して語ることは決してしていない。なのに、絵里香さんの言葉から、私がフィンランドで出会った人たちのことをたくさん思い出した。
違う立場・文化・環境にいる相手に対して想像力を持ち、寄り添って考える。
自分の目線で勝手に相手に手を焼くのではなく、本人が望むことに手を差し伸べる。
世間や周りの人ではなく自分にとって大事なことを自覚し、それに正直でいる。
Aをやりたければ、まわりくどくBをやるのではなくそのままシンプルにAをやる。
他人に期待せず自立する。家族であっても。
お互いに誤解がないことを何度でも確かめていい。
フィンランドで出会った人たちから教えてもらったこと、忘れてしまわないように、いくつかここに書いておこう。
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もうひとつ。
We are independent.
居候していた家のおばあちゃんが自分の家族の関係性を口癖のように語っていたこの言葉は、いまは私たち夫婦の合言葉だ。
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青い光が見えたから 〈16歳のフィンランド留学記〉(高橋絵里香)