『旅をする木』
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2021-05
手紙とともにこの本を送ってくれたあのひとは、「4年後の夏は北欧で過ごしたい」と言っていた。オリンピックから逃れるために。
あれから4年後、その1年後のいま、どうしているだろう。
会ったのは、旅先の四国がはじめて、それから京都のエレファントファクトリーコーヒーで、さいごは西宮のパン屋さんで修行していた頃に訪ねたとき。
手紙はいつからか返って来ないけれど、わたしのことはずっと応援してくれていると思う。
パン屋で詩人のあのひとが、どうかオリンピックから逃げきることができますように。
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旅をする木(星野道夫)