『酒のさかな』
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2019-09
晩酌という存在に憧れがある。特に親が晩酌を愉しんでいたわけでもなく、何かきっかけがあったかはよく覚えていないが、高橋みどりさんの影響は少なからず受けていると思う。
夫は「晩酌」という単語自体が今ひとつピンとこないぐらいのお酒よりも白いご飯が好きな人で、残念ながら思いを共有できない。わたしの晩酌への憧れは宙ぶらりんのまま、この本もレシピ本ではなく、読み物として楽しんでいる。
昔は(もちろん今もそうだという家庭もあるだろうが)、毎日当たり前のように食事の前に晩酌のためのちょっとした一品を用意したりしていたんだろう。きっと、ぶつぶつ言ったりもしながら。遠くない未来、自炊もそんな感じになるのかもしれない。
昔のぶつぶつを、憧れと言う今のわたし。月に一度ぐらいは何もかも早く店じまいして、自分で自分のために、ちまちまと「酒のさかな」を作ってみたい。
『酒のさかな』 高橋みどり