『ベランダ園芸で考えたこと』
-
2019-12
年頭に「目指せ、植物枯らさないガール」なんて意気込んでいた今年ももう終わりが近づいてきた(そもそもガールじゃない)。目標とは裏腹に、今も私は買ってきた植物を枯らしては、新しい植物を育てている。
そんな一年の終わりにこの本を読んだ。山崎ナオコーラさんの「園芸エッセイ」というと少し軽すぎる感じがする。まさに「ベランダ園芸で考えたこと」だ。「園芸ってそうやって楽しむものなのか」ということが、この本を読んでやっと少しわかった気がする。私は、見えるところしか見ていなかった。
日々世話をしながら、根っこの状態や土の栄養が足りているかなど、見えない部分への想像を膨らませる。一見枯れている植物も眠っているだけなのだと信じ見守って待つ。ときには残酷に間引く勇気がないと大きくは育たない。読めば読むほど、園芸家に必要な能力(そしてそれは、自らを健やかに生かせる能力でもあると思う)が自分には足りてないなと思う。「枯らさない」とか「育てる」とか、そういう力みは邪魔なのだ、きっと。
無駄な力みはさっさっと手放して、新しい年を迎えたい。これが『ベランダ園芸で考えたこと』を読んで、考えたことだ。もっと謙虚な気持ちで、植物に育てられながら、自分の未熟さと向き合っていきたいと思う。
『ベランダ園芸で考えたこと』山崎ナオコーラ