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妖怪フクウラガエシ

2021-01


旅先で行きたいところは本屋さんのほかにもありまして、それは、銭湯、スーパーマーケット、居酒屋など地元の人から愛されている場所。そういう場所にほんの少し緊張しながらお邪魔するのは旅人ならではの楽しみだと思います。
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2019年8月某日
この夏もたくさん遊んだけれど、何かが足りない。旅だ、旅に出たい。突然そんな思いに突き動かされてひとり早朝の高速バスに乗る。目的地は香川県。高松市美術館で開催されている宮永愛子の展覧会を観に。ナフタリンなど時間とともに変化をするものが多い宮永さんの作品はどこか曖昧にたゆたっている。目の前で少しずつ変化する作品を見ていると、今ここにいる自分も少し前の自分とは違うんだよなあと思う。
次なる目的地は、四国村ギャラリー。猪熊弦一郎展『私の好きなもの』
ことでんに乗って、可愛い駅で降りた。お昼ご飯は、四国村の入り口のうどん屋さんで。ギャラリーまでの道のりがちょっとした山登りだったがここでも良いものを見れた。
さて、主だった目的地には行けたので、あとは旅を旅らしくするためのお決まりコース。まずは銭湯。駅から近いところで探すと、スーパー銭湯が見つかったのでそこに行く。スーパー(マーケットのほうの)は、マルヨシセンターというところへ。そして本屋さんは、ずっと行ってみたかったルヌガンガさん。心と身体の本棚に興味津々。あまり時間がなかったので、今の気分の本をぱぱっと選んで買った。
旅の締めくくりは、ずっと行ってみたかったいろんなお味噌汁がある居酒屋さんへ。ほぼ開店と同時に入って何とかカウンターに入れてもらう。最高に美味しい豚汁を食べて幸せな気持ちに浸っていると、隣の老紳士に声をかけられた。「あの、余計なことかもしれませんが……服裏返ってますよ」
ひとり旅は楽しいけれど、くれぐれも妖怪フクウラガエシ(お風呂に入ってる間にこっそり服を裏返しにする妖怪)には気をつけること。今回の旅で得た教訓

行った本屋さん | 本屋ルヌガンガ
買った本 | 『マイマイ新子』『教養としての将棋』

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