『ひかりのメリーゴーラウンド』
-
2019-06
主人公のまゆは、中学3年生であだ名は委員長。休みになると鍼灸と気功の治療院を自宅の一階で営むおばあちゃんの手伝いをする。母親は翻訳の仕事をバリバリしていて、父親はまゆが生まれて間もなく交通事故で亡くなってしまった。
私って何?死んだらどうなるの?人一倍、豊かな感受性を持つまゆがぶつかる疑問に読者のわたしも一緒になってうんうん悩む。自分の頭で一生懸命考えるまゆも、そうさせてくれるおばあちゃんも、とてもかっこいい。煮物が上手で掃除が好きでひだまりの匂いがする。憧れるなぁ、こんなおばあちゃん。
するする読みやすいけど、何気ない一言、一行が深かったり、全ての問いの答えが書かれているわけではないところに、YA向けだからこそのランディさんの本気を感じる。このあと、まゆはどんな女性に成長したんだろう。
やっぱり「よりみちパン!セ」シリーズはいいなぁ。もう随分と大人になってしまったけど、読みたいものばかり。寄り道は、ハッピーに生きるための近道だそうです。今日はどこに寄り道しましょうか。
『ひかりのメリーゴーラウンド』 田口ランディ