『宿題の絵日記帳』
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2019-12
この本は、生まれつき高度の難聴である今井麗(うらら)さんと幼稚園の先生との連絡帳として、父である今井信吾さんが描いた絵日記を編集し、まとめたものです。
今井麗さんは、1982年生まれ。3人のお子さんを持つお母さんでもあり、植本一子さんの著書「かなわない」の表紙のトーストや、今年の「暮しの手帖」夏号の表紙のポトフの絵など、身近なものをモチーフに描かれた絵がとても印象的な、今注目されている画家のひとりです。
人の口の動きを読み取る「口話法」は、日々の努力なしには習得できない技術ですが、我が子の自立と成長を、優しさと厳しさとユーモアたっぷりに見守ってこられたご家族の愛おしい時間が、この絵日記には残されています。
その時は無我夢中で見えなかったことも、日記や写真など、記録されたものを時間を置いて再び見返すことで、それがかけがえのない時間であったと、より一層感慨深く感じられるのだと思います。
◉ 宿題の絵日記帳/今井信吾