『コスモス』
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2020-01
物語は主人公のお母さんが「じゃあね」と家を出ていく後ろ姿から始まる。家に残された小学校3年生の花ちゃんと、お父さんの秋彦さん。彼らとまわりの人々の、ささやかな日常。
花ちゃんの思考と言葉遣いが、とにかく、きれきれなのである。子どものころ、こんなこと考えていたかな。考えていたような気もする。それぞれのシーンの会話の間、言わないけど思っていること、わからないふりをしてわかっていること。生々しくて、どきっとする。
コスモスというタイトルには愛が込められている。
読めばきっと、わかります。_________________
コスモス/光用千春