『一〇〇年目の書体づくり』
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2019-03
みんなに大人気(?)の秀英体をデジタル化する記録本。
秀英体は、築地体と並ぶ伝統的な明朝体です。
広辞苑の書体というとピンとくる人が・・・いるのかな?
パソコンが普及するまでは、
書体は金属で掘られた「金属活字」を
ハンコのように押す活版印刷というのが主流でした。
しかし、パソコンの普及によってそんな「金属活字」も
どんどんデジタル化していきます。
この秀英体も同様に、
デジタル化するという運びになるのですが、
なにせ歴史のある書体のため、
元となる「金属活字」がなんども複製されています。
複製を繰り返す過程で、
角が少し丸まっていたり、
線が細く(あるいは太く)なっていたりと、
本来の形から少しづつ変わっているわけです。
「本来の秀英体」はいったいどんな形だったのか?
まるで恐竜の化石を一つ一つ組み合わせていくように、
「本来の秀英体」を復刻していきます。
少し専門的な用語も出てきますが、
そこまで書体に詳しくなくても、楽しめる内容にまとまっていますので、
ぜひ書体に興味があるという方は読んでみてはいかがでしょうか?
なんとも細かくて深い書体の世界が待っています。
『一〇〇年目の書体づくり―「秀英体 平成の大改刻」の記録 』大日本印刷株式会社