『くるりのこと』
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2019-06
ロックバンドくるりのこれまでを、メンバーが語ったインタビュー集。 SNS等でアーティストが自由に想いを発信するようになり、 「○○さんがいいね!しました」と、 アーティストが何を良いと思ったのかを知れるようになった。 良いことだとも思うし、 止められない流れだとも思うんだけれど、 アーティストには、 「特別な存在」としていて欲しいという気持ちも、どこかにある。 手が届かないから、あこがれるという部分ってあると思う。 この「くるりのこと」は、 メンバーの素直な気持ちがインタビュー形式で赤裸々に語られている。 でも、きちんと「編集」が入って出版されている。 それがとっても心地いい。 くるりって、そういうバンドだよな。と改めて思う。 全く手の届かないアーティストではないけど、 等身大というアーティストでもない。 「特別な存在」じゃなくって「ちょっと特別な存在」という くるりならではの立ち位置をうまく「編集」している。 くるりのインタビューもいいけれど、 「編集」という仕事の大切さにも気づかせてくれる本でもあります。
くるりのこと 著者:くるり, 宇野 維正