『空の辞典』
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2019-08
どこかで誰かが言っていた。「ふとした時に空が綺麗だと思えるような余裕を持って生きていたい。」
風が強い日に流れていく雲やこの世の全てを染めあげそうな夕日、飲み込まれそうになる真っ青な晴天に、ぽかんと丸い月が浮かぶ夜空。それらが恋しくなる瞬間が、稀にある。 お気に入りの曲が流れるイヤホンを耳に差し、ベットの上で寝転びながら空を眺めていると、時間の流れがゆるやかになる。考え事をしたり、しなかったりする中で微睡みに落ちていく時間が私は好きだ。
空、雲、雨、虹、光。彼らの名前はなぜこうもう美しいのだろうなあと惚れ惚れしてしまう。「天泣(てんきゅう)」、「催花雨(さいかう)」、「甘雨(かんう)」。いやはや美しい。
加えて、わたしはこの辞典のデザインと写真の虜でもある。 地球の綺麗なところをそのまま切り取ったような写真は、どれだけ見ても飽きがこない。
この辞書を片手に、どこか遠く旅行に行きたいなあと思う今日この頃。
『空の辞典』小河俊哉