『民芸お菓子』
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2020-01
柳宗悦の「民藝運動」やミニマムデザインの掛け声となっている「Less is More」など、時代を象徴するデザインやもの(プロダクト)が流通するときには、それそのものだけではなく、概念も同時に人のもとへと届けられる。しかし、それらは決まってこむずかしい。サロン的な場所であーだこーだ議論するにはとても良い肴だと思う。無論、そのような議論から新たな価値観が生まれていくので侮れないのも分かる。しかし、こむずかしい。
お菓子研究家・福田里香先生は、小難しい民藝のあれやこれを「民芸お菓子(民藝に関連するお菓子)」を食べるだけで、その入り口に立てると提唱している。これは、お手軽で、おしゃれで、深くて、おいしくて、誰かと共有できて、何よりも楽しい。つまりは民藝を知る上で、こんなにも革新的なことはないのではないか?と震えた。その概念となっているフレーズが、「お菓子はタイムマシン」。この一言には、さらに震えた。「フード理論」しかり、福田里香先生の始祖感がハンパない。
「民芸お菓子」福田里香