『82年生まれ、キム・ジヨン』
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2020-01
“結婚する/結婚している女性”になってから、周りからの見られ方捉えられ方が想像していた以上に変わった。
北海道に行くので仕事を辞めると伝えたときに、「女性はこういうことは仕方ないから」と言われたことが、最初の印象的な出来事だと思う。
「奥さん」「お嫁さん」になったら、その人が何を好み、何を考え、何を大切に思い、どんなふうに生きているのかといったようなことは、ときに、彼ら彼女らの想像に及ばない裏側のことになってしまうようだ。
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82年生まれ、キム・ジヨン
残念ながら、94年生まれの私にとっても彼女の境遇は過去の話と思えない。エピソードを読み進めるたびに、自分や母、祖母の経験が思い出される。
結婚して、母や祖母とも何度も食い違った。
この世の中で女性として生きる中で、すこしでも上手にやり過ごせるように、絶望してしまわないように、女の幸せを味わえるように。かけてくれる言葉が、私を大切に思っているからこそなのがやりきれない。NHKの「ストーリーズ 彼女たちの中のキム・ジヨン」という番組で、同い年の女の子がお母さんとの会話の中で「私はたぶん生き生きと怒るという選択肢を選ぶことになると思うし(中略)うまいこと受け流そうとはおもっていない」と。
そうだよね。こんな本が書かれて、多くの人から共感される時代に来れたのだから、私も。