『注文の多い注文書』
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2019-07
これは、「じつは、昔、読んだ本に出てきたものなんですがー」から始まる物語。とある物語を読んだ主人公が、小説の中にでてくる物や人を訪ねて、クラフト・エヴィング商會にやってきます。そんな訪ね人に対して、クラフト・エヴィング商會は「ないものでもありますよ」と答えるのです。題材になる5つの物語は、川端康成のたんぽぽ、サリンジャーのバナナフィッシュにうってつけの日、村上春樹の貧乏な叔母さんの話、ボリス・ヴィアンのうたかたの日々、内田百間の冥土。物語の広がりについて、本の面白さについて、心打たれたの。
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「注文の多い注文書」小川洋子