『耳瓔珞ー女心についての十篇』
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2020-02
しかし、こういう身の中の持ちものを、せめて文章ででも仕末しないうちは死に切れないと思った。
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近ごろ、自覚したことがある。
ひとつ、私は岡本かの子の文が好きだ、ということ。
ふたつ、作品の好む好まざるは、文章を読んで映像が浮かぶか否か、ということ。
この2点。
かの子の著作は、するする映像化される。映像化される・されないは、多分、相性の良しわるし、なのだろう。
五感がどのように文字化されているかは、それに大きく関わっていると思う。
この本に収められている十篇には、表紙と挿絵が付されている。
絵も話も魅力的なので、文豪の作品をさくっと読みたい方は是非。
あと、「女心」に浸りたい方も是非。
『耳瓔珞ー女心についての十篇』安野モヨコ