『チームバチスタの栄光』
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2020-01
「なぜ、なぜって、まるでうちのチビみたいだな。あのさ、田口センセって、イチゴのショートケーキ食べる時、イチゴから食べる派?それとも、ケーキから食べる派?」
「はあ?」
「僕はね、イチゴから食べる派なんだよね」
「はああ??」
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初読は小学校5年生頃。たしか、ガリレオの第1期ドラマがはじまって、そちらの原作と並行して読んでいた。親も読むから本を買ってくれる、というのも大きな理由だったけど(ちゃっかりしている)、大人が読む本ってこんなにおもしろいのか!と思った覚えがある。
この作品のおもしろさは、構成にあると思う。1人1人のヒヤリングを通して、個々のキャラを想像させる。田口の「見立て」も、推理の上で要点になっていて「愚痴外来」の特殊性や作品の中での位置を定めていると思う。
「桜宮サーガ」シリーズで1番好きなのは『螺鈿迷宮』。「田口・白鳥」シリーズなら『ジェネラル・ルージュの凱旋』が1番好き。めくったり本棚から出したりで、ページも背表紙も擦り切れて色あせてしまった。そろそろ読み直そうかな。
『チームバチスタの栄光』海堂尊