『オリエント急行の殺人』
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2019-08
『事件を解決しようと思ったら、椅子にゆったりすわって考えるだけでいい』
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「ミステリの女王」、アガサ・クリスティのマスターピース。
ペーパーブックは、HarperCollinsから出版されたものを購入したが、表紙が洒落ていてお気に入り。
レトロで、サスペンスフルで、異国情緒あふれる世界観。「列車」という閉ざされた空間で起こる殺人事件。非日常感がたまらない。
読了後に、これだけ(いい意味で)裏切られた気持ちになる作品はそうそうないと思う。掟破りもいいところ。常識に囚われている私が想像するエンディングのフレームワークを、悠々と超えてくる。アガサの不敵な笑みが目に浮かぶ。「だれがそんなこと決めたの?」って。
私はきわめて単純だから、フェイクにもご丁寧に引っかかるし、真相を聞いて単純に驚く。楽しめるからいいが、たまには鮮やかに“case”を解決してみたい、なんて思っている。『オリエント急行の殺人 』アガサ・クリスティ