『ミドリのミ』
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2020-01
ふつうってなんだろう。いつから、「ふつう」でいようなんて思うようになったんだろう。
小学3年生のミドリの章から始まる、ミドリを取り巻く人々の「ふつう」に対する思い。
子どもも、いや大人でも、なんとなーくずっとそれに縛られている気がする。
自分が小3だった時は、まだ何も考えていなかったように思う。初めて自分が「ふつう」ではないのか…と思ったのは高学年の時。担任の先生がキュロットをくれた。買ったけど娘の趣味じゃなくてとかそんな理由でもらった記憶があるのだけれど、なぜ私なのか?
私はクラスで一番兄弟が多くて、そしてそれは先生の中では異色で、プレゼントというより、寄付に近い感じで、子ども心にちょっと傷ついた覚えがある。
なんて、ずっと思い出したことのない記憶がふわっと出てきたりするから、読書は面白い。もう大人なので、思い出したところでなんとも思わないのだけど。
そうそう、何気なく歌っていませんでした?ドレミの歌。読み進めていくうちに、♪ミはみんなのミ♪に違和感を覚えてきて、♪ミは緑のミ♪でいいような気がしてくる。みんなが大切なんじゃない、まずは自分が大切なんだって、タイトルに込められているのかも。と思って。
「ミドリのミ」吉川トリコ