『なまえのないねこ』
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2020-01
残念ながら、我が家にはねこがいない。
昔はいたけれど、今はみな旅立ってしまった。でも、ねこが存在する楽しさや嬉しさは、いつ思い出しても私を幸せな気持ちにさせてくれる。毛並みの流れや肉球のぷにぷにはずっとさわっていたいし、性格は気まぐれで、時にひっかかれたりもするけれど、でも、どんなことをされても最後にはやっぱり癒される。
また一緒に暮らしたいとは思うけれど、なかなか。
そんな【ねこに癒されたい気持ち】を満足させてくれる? いや、よりかきたてられるのがこの絵本。
主人公ののらねこが商店街で飼われているみんなには名前があっていいなと、自分の名前を探すというお話。名前って、呼ばれるとより嬉しいものだよなぁって、改めて思う。
ねこが大好きなお二人によって描かれたねこたちが生き生きしている。文章からはそれぞれの居場所と名前の大切さが、絵からは1本の1本の毛並みや彼らの個性が伝わってくる。
あぁ。やっぱり、ねこと暮らしたいなぁ。
「なまえのないねこ」竹下文子/文 町田尚子/絵