『なつのいちにち』
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2020-01
見開きで描かれる、はたさんの力強い躍動感あふれる絵。とってもワクワクします。
虫取りはあまりした記憶がないけれど、青い空と白いもくもくした雲や、植物たちがいきいきと茂っている様子、蝉の鳴き声、汗がしたたり落ちるその感覚、容赦ない太陽の日差し、そして夏休みという子どもの頃感じた空気感が、一気によみがえってなんとも楽しい気分になります。
田舎のおばあちゃんの顔やおばあちゃんが作るおにぎり、野菜がなっている畑、人の少ない道、裏山、次々と思い出される私の子ども時分の夏は、生まれ育った場所ではなく、東北の田舎町。
今はお墓参りでしか行くことのない土地だけれど、テレビなどで方言を聞くと自分は喋れないのにすごく懐かしい。
いつの時代の子どもたちも、この絵本で描かれているような夏を過ごしたり、同じでなくても大きくなってから思い起こすと、幸せな気持ちになれる夏の思い出が今この瞬間も作られているのだと思うと、なんだか嬉しい。
その情景は、住む場所や人それぞれで、思い出すのが子ども時代に限られることもないかもしれない。
「なつのいちにち」をきっかけに、家族とでも、友達とでも、はたまた読書会などでも、どんな「なつのいちにち」を思い出すか話してみるのも面白いかもなぁ。
みなさまの「なつのいちにち」はどんな感じでしたか?
「なつのいちにち」はたこうしろう