『おかし』
-
2020-01
ことばというものに興味を持ち始めて久しい。
「ことば」というより「日本語」といったほうがいいんだろうか。
毎日毎日、自分の口から出ては誰かの耳に入っていくその見えない物体に
わたしはもう長いこと魅了されている。ことばはどこをとっても面白いのだが、特筆すべきはやはり音でことば遊びができることだ。
雨と飴、傘とかさ、身と実、歯と葉
こういうことばがたくさんあるから、だじゃれが生まれるし、俳句や歌で韻が踏める。
(英語でもできるんだろうけど、ここではいったん横に置いておく)
その心地よい文字の並びが音になると、くっだらねーと笑うこともできるし
これはなんとまあ…とフムフム感心もしてしまえるのだから、やっぱりことばってすごい。この本を書店で手に取ったとき、「詩集」と書いてあるのに気づかず
なんとなく表紙が可愛いから手が伸びた。
開いたら短い文章がたくさん並んでいたのですぐに詩集だとわかったけど。
おかしの名前がタイトルの詩集ね。なるほどなるほど。
ちょっと読んでみるか、くらいの気持ちでぺらぺらページをめくっていたらな、な、なんだこれは。
だじゃれの宝庫じゃないか。なんだ「じんマフィン」って。そんな美味しそうなものわたしの体にも出てくれ。
この「じんマフィン」を見た瞬間わたしは購入を決めた。
だって、それ以上立ち読みしたら変な笑みが漏れて不審者になってしまいそうだったから。家なら何も気にしなくていい。ふっふ、へっへと、やっぱり変なふうに笑いながらこの本を読み終えた。
とても満たされた。ことばでおなかがいっぱいになった。
これだからことばってやつは。これだからだじゃれってやつは。『どんな感じ
いい感じどんなキャンディー
とってもいいキャンディー』『おかし』 MELODY KOGA