『はいくないきもの』
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2020-01
保育園からの帰り道、娘が叫んだ。「はるけんぽ!」宇宙語か?いや、この本の一節である。
皆川さんのよくわからない生き物の絵に、谷川さんの意味があるようでないようなことばが踊っている。
タイトルにもあるように「はいくな」だけに、五七調になっていて、声に出すとなんとも調子が良い。
一方、普段絡まないことばたちが、隣同士にセットされているから、読む側の脳もぶるりと動くのを感じる。
私は勝手に、歌舞伎風に読むのが好きだ。
写楽の浮世絵をイメージしながら目をぐりぐりさせつつ、抑揚を付け、伸ばしたり、跳ねたり、1人劇場だ。
娘はニヤニヤしながら本と私を眺めて、時々いっしょに叫ぶ。
「かっふん ふん!」
読書は自由だな。
『はいくないきもの』谷川俊太郎 皆川明