『女生徒』
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2020-01
2019年1月から7月まで BIBLIO APARTMENTの405号室に住んでいた方の本棚にあった一冊
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思春期の娘さんが抱くセンチメンタルで万華鏡みたいな思考と感受性、こんなにも繊細にみずみずしく描けるなんて。太宰治ってば天才なんだ。と思った本。
読書当時、まるで他人事ではないような感覚になるくらい、おおいに共感し共鳴し心ふるえた。太宰の豊かな感性と表現力に心底感動したのをよく覚えてる。
いろんなモノゴトの狭間で葛藤し矛盾しあーでもないこーでもない。持て余す感受性と未熟な自我が毎分毎秒カラフルに揺れ動く時期。あの頃はそれがまぎれもないリアルで、生きにくさを感じつつもピュアに輝いていた。
今はどうだろう、ずいぶん楽になったと思う。大人になるってステキなことだけど、なんだかつまらない気もしちゃうな。無くしたわけじゃない、だけど懐かしい場所にあるなにか。時々触れて思い出したくなる。
「女生徒」 太宰治