場所は大阪府池田市。週末だけ暖簾がかかる街の本屋さん。静かな住宅街にひっそりと佇み、白地に赤い文字で「まがり」と書かれた暖簾が目印。このまがりという文字や、キャラクターの犬は当時小学校1,2年生ぐらいだった娘さんが書いたものだそう。
入り口横の大きな黒板には店主自作の俳句がきれいな明朝体で書かれています。 「営業日が近づいてくると、とにかく俳句は何にしようか、とすごく考えるから開店時黒板に文字を書き終えただけで肩の荷がおりるんです」と。
そして中に入ると手作りの木製什器と本棚の中には様々なラインナップの本がずらりと並ぶ。店内奥の本は、実際に店主の小笠原さんと奥様が読んでいた本なのだそう。本棚に並べられている色んな本を見ていると好奇心が刺激されて何時間でもその空間にいたくなります。
そんな街の本屋さんを営まれているご夫婦がとっても素敵な方なので、色々とお話を伺ってきました。
本屋さんを始められたきっかけ
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本が元々好きで自然と本が溜まっていって。中には読まなくなってしまったり、家の中で本が場所を取ってきているなと感じて、だったら売ってしまえば本を減らすことができるしお金にもなるかなという感じで本屋さんをしようと思ったんです。あとは自分が住んでいる街にこんな本屋さんがあればいいなと、誰もやらないんだったら自分がやってみようかなと思って。
週末以外は、別のお仕事を?
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平日は会社員として働いています。本屋の採算は正直厳しいけど、これをお金儲けでやろうとは思っていなくて、小さな本屋を自分の街でやっていきたいという思いで続けています。大型店の本屋さんだとお店にもよるけど、どうしても本のラインナップが似てきてしまう。でも個人でやっている街の本屋さんは、置いている本も店によって全然違ってたりするので、そこにいけば何か面白い本があるんじゃないかっていうわくわく感がありますから。
店主のこだわり
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新しい本を仕入れるときは、何年先に読んでも面白いと思えるような本かどうかということを考えています。流行りの本的なものは一歩引いてしまうところがあって。時代に倚りかからない、時流にのっかっていない本を選ぶよう心がけています。あとは出版社さんだったり作家さんだったりを見ながら、信用しているところで決めたりすることもあります。
今後やっていきたいこと
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今の悩みのひとつは、まだまだ本が少ないということです。やっぱりいろんな人に面白いと思ってもらえるためには、たくさん本がなければならないと思っているので。これからももっと面白い本をたくさん増やしていけたらいいなと思います。
オススメしている本
・婦人の新聞投稿欄「紅皿」集 戦争とおはぎとグリンピース/西日本新聞者
・オリエンタルピアノ /ゼイナ・アビラシェド 著 関口涼子訳
お店のキャッチコピーは「おとなも子どもも本がすき」
まがり書房に来るお客様は大人も子どもも、本が大好き。 本好きな店主が始められた街の小さな本屋さんには、愛情が詰まったたくさんの本が並べられていて、あたたかい気持になれるのです。