『ぼくのにゃんた』
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2020-01
「ぼく」の近くに「にゃんた」はいつもいる。バナナの中にも、ニューバランスのスニーカーみたいな顔をしてることもある…。
まずい、冒頭がホラーみたいになってしまった。
もちろんこの本は、ホラーではない。
絵本である。
「ねこ」「にゃ」「キャッツ」。
これらの言葉が日常のいろんなものにまぶされて(ふわりと言ってしまえばダジャレ化されて)、図像化されて、素晴らしいリズムで次々現れる。
声に出して読むと、とても心地よい。
普通に読むだけで、調子よく読めるのだ。
最初はねこがキャッツって、2歳は分かんないよなと少し思ったが、好きになったらどうでもいいのだな。
知らぬ間に彼女はねこがキャッツとわかってきている。(そして、ニューバランスをニャンバランスという。)
更にだんだんネームを覚えてきて、キメ言葉さながらにハモることも出てきた。(その時の娘のドヤ顔がまた!)
そうそう、ちょっと切なくなるところもあるよ。
それは読んでのお楽しみ。
閉館の決まった(号泣…)原美術館のショップで購入した思い出の一冊。(普通の本屋さんでもAmazonでももちろん買えますが)
そう、鈴木康広さんは、現代美術家なのである。
有名なところでは、「まばたきの葉」「ファスナーの船」など。ご存知の方も多いのでは。考え方や、発想の転換の仕方、それのビジュアルへの持って行きかたが最高で、大大大好きなのである。(告白!)そんな鈴木さんのプレパラート的絵本。にゃんたになりたい。(ホラー…)
『ぼくのにゃんた』 鈴木康広