『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』
-
2020-01
ぼくが、「先生」と呼ぶ方は何人かいる。それは、自分が学生時代のその名の通り「先生」であった方。もしくは、自分の人生に影響を与えた理論を唱えた方。
福田里香先生は、全くもって後者。
福田里香先生は、instagramを通すと「おしゃれなお菓子研究家」。多くの女性にとっては、そちらの顔が一般的だろう。もう1つの顔は、フード理論提唱者(そのまたもう1つの顔は、BL研究家だが)。
フード理論とは、映画やマンガの中で登場するフード、つまりシーンの中で登場上人物がどのように食べ物と関係しているかを描くだけで、人物の心情や状況説明を機能的に伝えるためのものである。
例えば本書のタイトルの通り、貧乏長屋に借金の取り立てにやってきたゴロツキは、だいたい食事時にやって来てちゃぶ台をひっくり返して去っていく。この描写1つで、ゴロツキの悪人感は伝わる。 フード理論のおおよそ大切なことは大幅に省くが、ぼくはフード理論と出会ったことで映画や漫画などの物語を観る目が変わった。あれも、これもフードを通すと解釈できる!という感覚。まさに風呂場でユーレカ!と叫んだアイツの気分。ONE PIECEの各章の最後にやる宴は、あのマンガの本質ですよね。レクター博士はフード理論的には最高のダークヒーロですよね。ねぇ、先生。先生!先生!一度、機会があれば福田里香先生にぼくのフード理論研究を聞いていただきたい。
敬虔なるフード理論信者より。
_________________
「ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50 」福田里香