『なみだ』
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2020-01
この絵本を読んだ時、外だったのだけれど、うかつにも涙が出かけた。
ただ、零れ落ちなかっただけで、目の中にはたくさんの涙があふれてきていた。
福音館書店が刊行しているかがくのともシリーズの1冊。
眼には常に涙の薄い膜があって、その薄い膜があることで、物をきれいに見られるようにしてくれたり、ゴミが入った時にゴミが出やすくなるようにしたり、いろいろな働きがあるんだって。
なーんて、大人でも、ほーぉって思ってしまうことが、子どもにもわかりやすく描かれています。
止めようと思っても止められない涙。子どもだけでなく、大人だってそんな時がありますよね。
私もこないだありました。
大人になってからは、泣く。となると、本を読んでとか映画を観てとかが多かったのだけれど、今回は実生活のことで泣きました。いい大人が…って言われそうなくらいしっかりと。
自分に打ちのめされて、どうしていいか分からなくて、ただただあふれてくる涙。
『作者のことば』で垂石さんが書かれています。
「子どもにとって、なみだはストレスを取り除く手段であり、自分を肯定する行為でもあります」
子どもにとって…とありますが、ここは自分に置き換えて。
否があった自分をそれでも涙を流すことで、むりやりにでも肯定しようとしていたのかもしれません。
誰だって、泣きたい時は思い切り泣いてもいいし、逆にひっそり涙を零してもいい。
量に関係なく、泣いたらスッキリする。というのは絶対にあると思います。
いちばん最近ひっそり泣いたのは、小説を読んでいた時。
その話はまた次回に。
「なみだ」垂石眞子