『こおり』
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2020-01
福音館書店が好きだ。
きっと本好きの人は、私のように「この出版社が好きだ」ということがあると思う。福音館書店が毎月発行している雑誌「こどものとも」は、母が購読していた。震災のドタバタで手放してしまったことを、母は今でもたまに思い出すと、もったいないことをしたとつぶやいている。
書店で働くようになった私も、言ってくれたら引き取ったのに。とひそかに思っていた。
さて、その毎月出る雑誌の「たくさんのふしぎ」の書籍化がこちら。
「たくさんのふしぎ」は小学3年生から楽しめる科学絵本。ちょっと蒸し暑くなってくると、アイスクリームやかき氷が恋しくなりませんか? 私も思わず、この「こおり」を手にしていました。
氷がどうやってできるかというミクロな世界から、北極から始まり地球全体の話にまで広がる氷の役割と魅力。
絵の方でも、透明な氷の描かれ方や分子の擬人化と、子どもだけではなく、大人も引きこまれます。
「こおり」 前野紀一/文 斉藤俊行/絵