『萩を揺らす雨―紅雲町珈琲屋こよみ』
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2020-01
なんでこんなにこのシリーズが好きなんだろうと考えていたら、おばあちゃんが主人公だからだ!と気づきました。アガサ・クリスティーのミス・マープルや、ドロシー・ギルマンのミセス・ポリファックス(おばちゃまはスパイ)も好きだったなと。その日本版と考えると自分の嗜好に納得です。
小蔵屋という和食器と珈琲の店を営むお草さんが、ご近所の問題や知り合いの悩みをそっと解決していくシリーズの1巻目。
年を重ねていくと体はすぐ疲れるし、外を散歩すれば痴呆老人扱いとぼやくところがリアルすぎて大好き。お節介も焼くけれど、嫌な人にはしっかりと境界線を引くところも格好いい。いくつになっても自分の行動に後悔したり、若い人を見て微笑ましくなったり、感情のゆらめきに共感する。そして、日々の小さな幸せを喜ぶお草さんがとっても愛おしい!私もこんなおばあちゃんになりたいなぁと思わずにはいられないのです。
「萩を揺らす雨―紅雲町珈琲屋こよみ」吉永南央