『緋色の研究』
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2019-04
人生という無色の糸綛には、殺人というまっ赤な糸がまざって巻きこまれている。それを解きほぐして分離し、端から端まで一インチきざみに明るみへさらけだして見せるのが、僕らの任務なんだ。
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やっと読んだホームズ。私の推理モノは某小学生探偵のアニメから始まっているので、小さい頃から名前は知っていたけど未読だった。ホームズめちゃくちゃ格好いい。
『緋色の研究』には「赤」が効果的に使われる場面が随所にある。「シャーロック・ホームズ法」なる血液調査の「茶褐色」、事件現場に残されたメッセージ の“RACHE” 「まっ赤」。ホームズの「殺人」に対するイメージ「赤」。表題の「緋色」。否が応でも「赤」を意識せざるを得ない。ここが “case” の “core” だ、と。
「赤」に彩られた事件を、ワトスン視点で見るうち、伏線が提示されている。ワトスンという仲介者がいるからこそ、ホームズ・サーガに読者が引きこまれていく。このフィルターがないとホームズが濾過されず、ホームズのテリトリーから出てきてくれないのだと思う。
読了後、ドラマを一気にレンタル。現代版シャーロック・ホームズ、ものすごく面白かった。きゃーきゃー言いながら観賞。ミーハーバンザイ。
『緋色の研究』コナン・ドイル